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2009年1月25日 (日)

行うは難し

色々な人から、将来を心配されている。
主に、男性に関して。
変な男にひっかからぬよう、と。

お前には幸せになって欲しいんだよ、との友人の言は、
ほろりとくるほどありがたかったが、そこまで言われる私って、と、
自分で自分が気の毒にならなくもない。

最近は、母からも随分と心配されているようで。

もう長いこと、大いなる面倒と小さな羞恥から、母には恋人不在を言い張っている。
まさか本気にもしていなかろうと思っていたが、どうやら本気にしているらしい。
この娘なら、あり得ると思っているのだろう。

兄が結婚しようという段になり、いよいよ私が心配になってきたらしく、
最近は何かにつけ、異性関係を話題にあげてくるのだが、
しかしどうにも腑に落ちない。

彼氏はいないの、だの、出会いはないの、だの、
そういうことを興味津々に聞いてくるのならばまぁよいのだが、
母は真顔で言う。

「不倫だけは、やめときなさいね」と。

この娘なら、あり得ると思っているのだろう。
いや、あり得るどころか、ある、と思っているのか。

今日はわざわざ留守録に、上の言葉を残してくれた。
留守録の使い方を間違えている気がする。

何だろうね、これ。
本気だから、笑えん。

私はブラザーコンプレクス気味なので、臆面もなく書いてしまうが、
私の兄は、まぁそれなりに真っ当でよい人間だと思う。
所詮私の兄ではあるが。

で、そういう真っ当な兄を見ると、
私は間違っても自分の恋人を親に紹介する気にはなれない。
いや、紹介とまでいかずとも、人となりを説明する気にもなれない。

つまり、先に面倒と羞恥と書いたが、
実のところ、ブラコンゆえに、いらぬ引け目を感じて、
いつまでも恋人の存在を明かせないのだろう、と自分では思っている。

いや、誰に関しても、決して相手に問題があるわけではないのだが。
むしろ自分の自信のなさを恋人に転嫁している私に問題があるのだが。

はればれと、親、とまで言わずとも、人に恋人を紹介できるような人に、
なりたいものである。
きっと私さえそうなれば、これほど周囲が心配の目を向けてくれている以上、
変な男にだまされることもないんじゃなかろうかと、
そんなことを思う最近である。

不倫だろうが何だろうが、私が堂々と人に紹介できるなら、
まぁそれはそれで悪くないんじゃないかと、思うわけだ。

いや、不倫はしてないですよ。

太宰を読んで、浮いたり沈んだりしているこの頃。
気まぐれなんだから、もう。

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2009年1月12日 (月)

夜の底が白くなった

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

新潟は越後湯沢に行ってきた。
案外、近い。

月曜、仕事が始まった早々飲みに行き、ボードの誘いがかかる。
即、拒否。
ウィンタースポーツはやりたくない。
しかし高速代・宿泊代の分母を増やしたい相手は、
それなら温泉もある野沢にするから、と。
即、承諾。

職場の人々にはこれまでも何度か遊びに連れて行ってもらっているが、
往々にしてこのように、軽く、安易に話が進む。

出発前日金曜日。

宿はまだ決めていない。
まぁどうせ車で行くのだから、立地を考慮する必要はないし、
当日考えるので充分と言えば充分ではあるのだが。
そもそもの提案者は飲みに行き、私は外出直帰。
深夜、酔っ払いたちから数度にわたって電話が入るが、
どうにかなるなる、と会話を終えて、何も決まらず当日を迎えることとなる。

私も私で、思いつきで予定も立てずにふらりと出かける質なので、特に文句はない。
ないがしかし、一般的に、女性がいたらこうはならないはずではないかとふと思う。
せめて宿泊先だけでも気遣って、
誘った側の男性も、そして女性自身も動くものではないかとふと思う。
特に文句はないがしかし、自分に対して何か諦めに似た感情を抱く。

出発当日土曜日。

昼前には出たいと言うから、平日同様8時出社のつもりで5時起床。
寒い。
風が強い。
ぺたんこパンプスのつもりだったが、流石に寒くてブーツを履く。
いやはや、このときブーツを選んで本当によかったと思い知るのはもう少し後のこと。
と足元は固めたが、他は普段と変わらぬ軽装で家を出る。

しばらく仕事をするが、予定より捗らず、ノルマを終えられない。
翌日曜、戻ってきてから仕事をするか、翌々月曜、出社すればいいだろうと、
無理矢理車に詰め込まれ、運転席に座らされ、いざ野沢。
の前に、同行者の荷物を取りにまず埼玉へ。
彼が最初から荷物を持ってくれば、私の休日出勤回数は減ったんじゃなかろうか。

強風に煽られながら、久々に地元以外を運転。
おかげでご機嫌な一方、宿がいっこうに取れない。
とりあえず、と会社でメモしてきた観光協会、民宿組合等に電話をするが、
ことごとく出ない。
やる気あんのか、とは怒りの声ではなく、私の爆笑の声であったが、
3連休のくせに、電話にも出ないとはまぁ、ひどい話である。

というわけで、急遽行き先変更。
ここでやっと越後湯沢、中里に行く運びとなったのであった。
湯沢の観光協会のおばちゃんは中々仕事のできるおばちゃんで、
電話のやりとりの中でさくさくと宿をとってくれたのであった。

さて、赤城山などを見つつのドライブであったが、雪がちらつき始める。
ひとり大興奮して騒ぐ私。
流石に雪道は運転できないので、SAで運転手交代。
これをチャンスとばかりに、うっすら雪の積もったSAで走り回る。
足跡をつけてはしゃぎ回るって、どれだけこどもなのか、私。

トンネルに入る前から既に雪、雪、とはしゃいだ私だったが、
件の、国境のトンネル、を抜けたら、本当にそこは一面の銀世界であった。

いや、まぁ、『雪国』の冒頭はすてきな銀世界なんて描いていないけれども、まぁ。

ウィンタースポーツを一切やらない寒がりの私は、
見渡す限りの雪、をまともに見たことがない。
白い、針葉樹、三角屋根、民話みたい、とやたら騒ぐ。
騒ぐ私にいちいちはいはいそうだねと言ってくれる車中に感謝である。

夕方には無事湯沢に到着。
観光協会で話好きのおばちゃんにあれやこれやと語られた後、
紹介された民宿でひとやすみ。
おこたに入ってほっこり。
喫煙者しかいないものだから、部屋中がもくもく。
高校生男子の部屋のよう。
あぁ、○○くんちのにおいがする、などと笑って、窓を開ける。

雪のある寒さは、当然寒いけれどもでもやっぱり、あたたかい。
零度以下なんて、東京だったら泣いちゃうけれど、
さらさらのパウダースノーの降る中での氷点下は、しんとして気持ちいい。

お酒でも買いに行きますか、と、お散歩も兼ねて外に出る。
放水される車道だとか、ワイパーをあげた車だとか、玄関先のスコップだとか、
雪国ならではの風景にいちいち目を奪われる。
降り積もった雪原を、ブーツ幸いと膝まで埋もれながらきゃぁきゃぁ歩き回る。
あぁ、ぺたんこパンプスなんかで来なくて本当によかった。

お酒とおつまみを買い込んで、宿に戻って食事前から早々乾杯。
ボード組に、滑りに行っては、と勧めるが、億劫になったらしく、
ナイターか明日の午前中でいいや、という何ともやる気のない返事。
雪景色を肴に、だらだらとお酒を飲んでくつろぐ。
おこたというものは、人を怠け者にするなぁと実感する。

お夕食はコシヒカリをたらふくいただく。
私は普段、白米を食べない生活をしており、
まして宿泊先でいただくときは、おかずを全て堪能したいがために、
お腹を満たしてしまう白米を最初からよそわないのであるが、
しかしここは新潟、南魚沼。
コシヒカリを食べずして何を食べよう。

食事後、一同が腹の膨れ具合に更に怠惰になったのは言うまでもない。
それにしてもおいしかったなぁ。

お風呂に行ったりお酒を飲んだりと、結局その後もだらだら過ごすが、
さて、ナイター。
わざわざ雪深いスキーのメッカにやってきて、当初の目的を捨ててよいものか。
まぁ私はわざわざやってきておいて、はなから滑るつもりはないわけであるが。

ということで、重い腰をあげてゲレンデへ。

粉雪の吹雪く中、いつもの黒いコートの下に、
短いフレアのスカートをひらひらさせて、ロビーに下りると、
宿のおばちゃんから驚かれる。
おねえさん、そんな軽装でスキー場行くの、と。
言われて、流石にまずいか、と思ったのは私だけではなかったようで、
重装備の同行者にダウンをお借りすることに。

男物のダウンを羽織って、フードをかぶり、ストールで口元まで覆って、
しかし大きなダウンにスカートは隠れたというこの姿は、
どう見ても不審者であったが、風邪を引くよりはよかろうと、そのまま出かける。

雪をまともにかぶりつつ、宿から目と鼻の先のゲレンデへ。
着いたら着いたで、またしても見渡す限りの雪に大興奮。
何やら準備をしたりリフト券を買ったりの人々をよそに、
さくさくと、いや、ずぼずぼと、雪の中を歩き回る私。

相変わらず滑りたいとは思わないが、そり遊びくらいしたかったかな、と思いつつ、
歩き回ったり、休憩所でコーヒーを飲んだりで、
滑ってもいないくせに、何だかんだゲレンデを満喫した私であった。

宿に戻って窓の外を見遣れば、軒先につららができていた。
見慣れないものにまたしても感動を覚える。
窓の外に身を乗り出し、あぁもう少しで手が届く、というところで、
同行者に見つかって慌てて止められる、悔しい。
頼むからいい加減大人しくしてくれ、と言われる。

またもだらだらとお酒を飲みながらおこたで過ごし、
年明けの慌しさに疲れた体を早々に横たえ、就寝。

翌朝、起きたら車が埋もれていた。

笑いながら雪下ろし。
毎朝これじゃ、通勤する気なくなるだろうなぁ、とか言いながら雪下ろし。
しかし毎朝じゃなければ、楽しい。

車の雪を払って、エンジンをあたためる間、
目の前に広がる雪原を走り回りたくてうずうずしてくる。
というか、うずうずした次の瞬間には、道路を渡ってそこにいたわけだが。
雪が随分と積もっているので、そもそもが一体どういう地形なのかわからないが、
雪は均等に降るのであって、一見して特にくぼんだところもないし、
何も考えずにさくさくずぼずぼと進んでいった。

甘かった。
ひゃぁ、という叫び声がついついあがる。

疑いもなく踏み出した途端、まんまと腰上まで埋まったのであった。

私の間の抜けた叫びに、車の前で煙草を吸っていた人々の目がこちらを向くが、
何せ私は半身、それも片足踏み込んだところでいきなり落ちたので、
ななめになって埋まっている。
状況がつかめなかったようで、一同、唖然とした顔をするが、
その後、呆れと笑いの混ざった表情に変わる。

呆れと笑いで誰も助けてくれないので、自力で脱出したが、
こんな目に遭いながらも、
というか、こんな目、そのものをものすごく楽しんでいた私であった。
我ながら、懲りない。

帰る頃には、スエードのブーツは見事に雪染みだらけになっており、
そういえば昨冬のパーティーのときも、八王子に向かう中で雪に降られて、
こんな染みを作ったっけかな、なんて思い出す。
しかしこのブーツと荷物で都内に戻り、
というか私はその晩、横浜で約束があり、
更には時間もあったので、横浜で買い物でもしようと思っていたのだが、
それを考えると、おのぼりさんにも程があるというか、とにかく恥ずかしかった。
まぁ、結局、そのまま買い物もして、飲みにも行ったわけだけれども。

こうして雪を惜しみつつ、思いつき旅行を終えた。
やっぱり旅行は、いいなぁ。
些細なことが、何でか楽しい。
今回行かれなかった野沢のリベンジもしたいし、
休みが取れないなら取れないなりに、近場の突発的旅行を楽しみたい。

それにしても、こんな旅行に付き合ってくれる車持ちがいることは、
何ともありがたいことである。
特に今回は、雪国育ちのA型のおかげで、
いちばん下っ端のくせに何も働かなかった私であった。
まぁいいや。

それにしても、雪、きれいだったな。

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2009年1月 4日 (日)

年女

新春。

新年というのは、何となく気分が改まるものだと思うが、
まぁ中々そうもいかないもので。
新年早々、どうもうだつがあがらずあぁあぁうぅうぅ言っていた。

一例を記すなら、大体以下のように。

正月早々、知人から誘いのメールが入るが、実家にいる私には到底付き合えない。
残念ではあったが、家族のせいなどにしつつ、迂遠な断りのメールを送る。
が、送った後にはたと気付く。
私はごめんなさいの一言も添えずに断ってしまった、と。
ここでまず、あわあわあわ。

しかし再び相手から、新たな提案が送られてくる、が、やはり到底付き合えない。
こんなに誘ってくれているのに、付き合えない。
ここでもう一度、あわあわあわ。
丁重に、今度はちゃんとごめんなさいと、再度断りのメールを送る。
中々返信が来なくて、あわあわあわ。

しばらくの後、一言、しかしやたら元気な返信がきて、何となく不安になる。
だからメールは嫌なのだ。
やはり電話でちゃんと謝ろうか、と思うが、時は既に夜中。
先方もご家族といるというのに、その場に電話をするのも失礼か、と、あわあわあわ。

と、考えているうちに、とても電話をできる時間ではなくなり、
とりあえず床に就くが、どうも気になって仕方がない。
ので、朝起きて、やはりここは私自身のために電話をしようとしつこくも思う。
が、しかし、午前中では寝ているだろうか、と、あわあわあわ。

下手に考えすぎてしまったがために、いつまでも引きずり、
そもそもは一体何の話であったかというくらいに引きずり、
ただただすっきりしたいと思って、夕方に意を決して電話をする。
が、案の定、出ない、で、あわあわあわ。

暴飲暴食も手伝って、胃の痛い二晩を過ごしたその後、
折りよく、全く別件で件の知人から電話が入る。
もらい電話にかかわらず、相手が何を言うよりも先に、とにかく謝る。

相手、爆笑。

こうしてやっと、訳のわからない瑣末な悩みを解消するにいたったのであった。
なお、彼にしても、その後この話をしたつぁん並びF島にしても、
考えすぎでしょう、悩む訳がわからない、と言って笑ってくれたのであるが、
そう言ってくれる彼らが私はとてもとてもありがたく、すきなのであった。

以上が一例。

かようにうぅあぁと頭を痛めていたところ、
「気分転換に、休みでも取ってひとりで温泉でも行った方がいいよ」
と、兄から言われる。

優しい言葉ではあるが、ついついほろりときたが、しかし、
年明け早々の言葉でもなかろう。

まぁそんな正月休みであったが、
今年は既に、宮城・岩手・青森の東北三県行きの予定もあるので、
楽しみ楽しみ。
福島にも、行きたいなぁ。
…北ばかりではあるが。

鬱屈していたかと思えば、今日は今日で豪遊して満足しているし、
まぁ今年も変わらずへらへらとやっていけるのではなかろうかと思っている。
というか、やっていけないなんていうことは、
人生においてそうそうないことくらい、知っているつもりである。

とは言えひどい寝不足で、明日からちゃんと会社に行ける自信は、露ほどのもの。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

『ポーの話』 いしい しんじ

不具、というか社会から外れた人、というか、
そこに目を向けるのは構わないのだが、あまりにそればかりだと、どうもなぁ。

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