行うは難し
色々な人から、将来を心配されている。
主に、男性に関して。
変な男にひっかからぬよう、と。
お前には幸せになって欲しいんだよ、との友人の言は、
ほろりとくるほどありがたかったが、そこまで言われる私って、と、
自分で自分が気の毒にならなくもない。
最近は、母からも随分と心配されているようで。
もう長いこと、大いなる面倒と小さな羞恥から、母には恋人不在を言い張っている。
まさか本気にもしていなかろうと思っていたが、どうやら本気にしているらしい。
この娘なら、あり得ると思っているのだろう。
兄が結婚しようという段になり、いよいよ私が心配になってきたらしく、
最近は何かにつけ、異性関係を話題にあげてくるのだが、
しかしどうにも腑に落ちない。
彼氏はいないの、だの、出会いはないの、だの、
そういうことを興味津々に聞いてくるのならばまぁよいのだが、
母は真顔で言う。
「不倫だけは、やめときなさいね」と。
この娘なら、あり得ると思っているのだろう。
いや、あり得るどころか、ある、と思っているのか。
今日はわざわざ留守録に、上の言葉を残してくれた。
留守録の使い方を間違えている気がする。
何だろうね、これ。
本気だから、笑えん。
私はブラザーコンプレクス気味なので、臆面もなく書いてしまうが、
私の兄は、まぁそれなりに真っ当でよい人間だと思う。
所詮私の兄ではあるが。
で、そういう真っ当な兄を見ると、
私は間違っても自分の恋人を親に紹介する気にはなれない。
いや、紹介とまでいかずとも、人となりを説明する気にもなれない。
つまり、先に面倒と羞恥と書いたが、
実のところ、ブラコンゆえに、いらぬ引け目を感じて、
いつまでも恋人の存在を明かせないのだろう、と自分では思っている。
いや、誰に関しても、決して相手に問題があるわけではないのだが。
むしろ自分の自信のなさを恋人に転嫁している私に問題があるのだが。
はればれと、親、とまで言わずとも、人に恋人を紹介できるような人に、
なりたいものである。
きっと私さえそうなれば、これほど周囲が心配の目を向けてくれている以上、
変な男にだまされることもないんじゃなかろうかと、
そんなことを思う最近である。
不倫だろうが何だろうが、私が堂々と人に紹介できるなら、
まぁそれはそれで悪くないんじゃないかと、思うわけだ。
いや、不倫はしてないですよ。
太宰を読んで、浮いたり沈んだりしているこの頃。
気まぐれなんだから、もう。
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