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2008年10月26日 (日)

伊達な旅

携帯を家に置き去りにしたまま、仙台に行って参りました。

どうせメールも電話も来ないだろうと高を括っていたが、
意外なことに、こんなときに限って、方々から連絡が入っていた。
申し訳ありませんでした。

今週は、週明け、というか先週末から体調を崩し、
週半ばにして起きた事件のために不眠に陥り、
と言いつつ人との電話の最中に眠りに落ちたものだが、
とにかくそんなこんなで、本当に行けるものかと不安もあったのだが、
まぁ行ってしまえば行けるものである。

兄と、姉になる人と、3人で松島に行ってきた。
…松島、というより、牡蠣食べ放題と、かもめとの戯れ。

秋になったら牡蠣の食べ放題に行こう、と兄が誘ってくれたのは、夏の終わり。
何度痛い目にあっても牡蠣が愛しい私は、
早く行きたい早く行きたいとうずうずしていてのだが、
折りよく、人に会うという別の目的も重なって、芽出度くも実現の運びとなった。

夏の終わりに誘われたときから、ひどく汚いところだとは聞いていた。
と聞いていても、別段問題は感じていなかった。
が、ここ数日、交わした兄とのメールで、少し不安を覚える。
汚いところだし、汁が飛び散るから、ジャージとは言わないまでも、
汚い格好で着なさい、としきりに兄が言うのである。

汁、て何だそれ。

汚い格好、と言われても、荷物は増やしたくないから、
会社帰りそのまま、着の身着のままで過ごしたい。
大体、初対面の人に会うのに、観光もするのに、ひどい格好でいたくはない。
結局、寝巻き代わりの汚いパーカを1枚持って、
食べるときだけ羽織ることにした。
にしたって、どれほどのところなのかとの不安は消えない。

車を降りたら、漂ってきたのは、牡蠣、というか強い磯の香り。
眼前には、2つのプレハブ、というか掘建て小屋。
いかにも海の男、海の女、という体の、ゴム長をゴムエプロンのじじばば。
リアカーに、ごみのように盛られた、殻付きの牡蠣。
そしてその牡蠣をスコップで盛って小屋の中に運び込む兄ちゃん。
入れ替わりに、牡蠣殻でいっぱいの一斗缶を引っ提げて出てくる兄ちゃん。

ふむ、確かに、汚い。

しかし今更そういう光景に退く私でも、彼でも彼女でもない。
随分と人が待っていたが、案外待たされることもなく、10分かそこらで席につく。
7、8人でひとつのテーブル、というかどでかい鉄板。
ちょうどお好み焼き屋さんのテーブルを大きくして、鉄板面積を広くした感じ。
焼肉屋さんみたく、紙エプロンをつけて、
スカートの私には膝にかけるタオルも支給され、
左手に軍手、右手にナイフとお箸を装備。

で、スコップで大量の牡蠣が鉄板上に投入される。
最初はこれまたどでかい蓋をして、殻のまま、蒸し焼き。
すると、確かに、汁が出てくる。
蓋の隙間から、飛び散る、熱い。
おばちゃんが、汚いタオルでテーブルや鉄板を拭いてくれるが、
もはや汚いとか、どうでもいい。

いざ、実食。

文句なく、美味しい。
水揚げされたそのままだから、潮が効いていて、レモンもいらない。
小さいのも大きいのもあったけれど、どれも身が締まっていて、濃厚。
隣に座る兄は、女性2人の殻を割りつつも、
ものすごい勢いで食べていたが、それを恥と思う感覚も飛ぶ空気だった。
少なくなってくると、またしてもスコップで大量に鉄板上に盛られて、
最初しか蓋はしないから、半生のとろとろ状態も堪能。

牡蠣だけでお腹が膨れるものだろうかと思っていたが、膨れた。
ものすごい満腹だった。
一体いくつ食べたのかわからないが、とりあえず1年分は食べたなと思う。
今冬も、食べますけれども。

兄は非常に満足したらしく、食後の一服をくゆらせながら、
「今度、友達でも連れてきなよ、そんでまた牡蠣食べ放題行こう」
と、既に次回の計画まで立てていた。
誰か大量の牡蠣を食べたい人がいれば、言ってください。
でも本当に汚いよ。

さて、満腹になったところで、松島観光。

松島と言えば、日本三景のひとつ。
浮かぶ島々の間を巡る遊覧船で、景勝を堪能しよう、と船に乗る。
が、景色を楽しんだのはほんの数分。
デッキに出た3人が夢中になったのは、かもめ。

船室を出ると、かっぱえびせんが売られていた。
しかしそこには、「かっぱえびせん」とは書かれていない。
「かもめのえさ」と書かれている。
見れば遊覧船の周りには、ハングリー精神に溢れたかもめたちが群がっている。

で、きゃぁきゃぁはしゃぎながら、いい年した男女3人、
えさをやるのに夢中になる。
小心者の兄は、本気でぎゃぁとかうわぁとか言いながら、怯えており、
私がえびせんを手に持ったまま、かもめを待つのに対し、
彼は持っていられず、目の合ったかもめに向かって、えびせんを投げていた。

そんなこんなで松島を後にして、飲みに繰り出すことに。
兄の当初の計画は、ホルモン焼きで、
朝、駅へとぶらぶら歩く最中にそれを言われた焼肉嫌いの私は文句を言ったが、
しかし父が置いていったボトルがあるから、と言われ、
それなら別にいいかと承諾した。

しかし松島からの帰りの車内。
何のはずみか忘れたが、なぜか私は、焼肉嫌いであることを2人に告げる。
驚く2人。

いや、ちょっと待て、兄が驚くのはおかしい。
23年間、兄妹をやっているのに、なぜ今更。
彼が実家にいたときから、彼が焼肉に行きたいと言う度に、
最終的には折れることが多かったものの、毎度毎度文句を垂れてきた。
先日、彼が東京に来たときも、結局焼肉だったけれども、
やはり嫌だ嫌だとごねたはずだ。

で、それが、今更になって、え、お前、焼肉嫌いなの、初耳だよ、と。
人の話を聞かないにも程がある。

私のわがままもあり、また牡蠣をあれほど食べた後というのもあり、
店を変えて客人たる私をもてなそうと、2人があぁだこうだと悩み始める。
本当に、なぜ焼肉が苦手だなどと、うっかり言ってしまったのか不思議で、
ひどく申し訳なく思うが、しかし悩む彼らがどうも面白い。

どうも彼らは、焼肉屋しか店を知らないらしい。
だって、普段食べに行くのって、焼肉か、寿司かどちらかしかない、と言う。
しかし牡蠣の後では寿司でもない。

「じゃぁお前何がすきなんだよ、え、野菜って、野菜居酒屋なんてあるかな」
「もう何年も住んでるのに、焼肉屋しか知らないなんて、反省」
「しかも本当に肉しかない焼肉屋しか知らないなんて、反省」
「中華かな、あそこの店なら美味しいし、ちょっとお洒落」
「でもチェーン店だし、せっかく仙台まで来てチェーンはないよ」
「いや、全国チェーンじゃないよ、てか仙台でしか見たことないよ」
「あ、ちゃんこにしたらいいんじゃない、野菜だし、若できたよ」
「若こそチェーン店だよ」
「nyimaちゃん、中華とちゃんこどっちがいい」
「お前のすきな方にしよう、え、ちゃんこなの、うーん、微妙」
「何それ、今のnyimaちゃんに聞く意味あったの」
「まぁそうなんだけど、一応、まぁそんなわけで、中華で」

車を置いて、新居候補を見て、東北大の古い広いキャンパスを抜けて、
ちょっとおされな中華屋さんで、ご飯とお酒にありついた。
時間も早かったから、その後はチェーンの居酒屋に移動して、
3人して、ビールからワインから紹興酒から焼酎から日本酒まで、
ぱかぱか飲んでしまったのだった。

本当は、仙台に行くのに、ものづごく緊張していて、
この1週間は、何を話せばいいことやらと困っていて、
何人かの人に、どうしようどうしようと言って、
酒飲めば大丈夫だよお前は、と言われて、
そうなるとお酒を嗜まない人、あまり飲まない人だったらどうしよう、と思って、
まぁそんなお酒以外のところでも、どうしようどうしようと思っていたけれど、
お酒も飲むし、何よりやさしい楽しい方だったし、よかった。
bonobosすきだし、よかった。

とにかく、よい週末を過ごせた。

次の遠出は、岩手になりそかな。

『桃』 久世 光彦

芥川が、いいですね。
血盟団とか尼港事件とか、歴史的事件がうまく織り込まれているのも楽しかった。

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2008年10月13日 (月)

天下の回り物

秋です。

三連休、ではなかったが、カレンダー上の三連休はお天気もよく、
何だかんだ暖かかった、とはいえしかし、いい加減風邪が冷たくなってきた。
で、私は今年もやはり、着るものがない。

毎年毎年、それなりにお買い物をしているはずなのに、
なぜ毎年毎年、着るものに困るのか。
まったくもって謎であるが、まぁ実際そうなのだから仕方ない。

今日は美容院に行き、相変わらず髪形は変えなかったが、気分をよくして、
お買い物でもしようかと町をふらついた。

足りないものは、トップス。

長袖のジャケットがない。
長袖のカーディガンも、もう1枚あってもいい。
1枚で着られるニットか何かも、もう少し買っておきたい。

さて、お買い物において、私が心躍る対象とは何であるか。

靴、下着、スカート。

次いで、ストール、バッグ、財布、時計、などなどが挙がるが、
とにかく、先の3点が気になってたまらない。
そして、今回買うべきジャケットだのカーディガンだのは、
中々どうして、よほどでないと心惹かれない。
まぁ、だから足りないわけだけれども。

靴といえば、私はNINE WESTの靴がとてもすきである。
ついさっき、買ったものを整理するのにがさごそやっていたら、
どうも私は何かに使えると思って靴の箱をとっておくのだが、
NINE WESTの箱が、3箱もあった。

で、芽出度くも、4箱になったという話である。

まぁそもそも欲しかったのではある。
社用のまともなパンプスが、1足しかなかったのである。
まぁ雨用の、就活だか教育実習だかのために買ったどうでもよいパンプスと、
そろそろ寒々しく見えそうな、オープントウにストラップのサンダルはあるけれども、
パンプスがもう1足あってもよかろう、とは思っていたのである。

で、深い緑のパンプスを購入。
シンプルではあるが、色がたまらない。

気を取り直してトップスだトップスだ、と思うがしかし、
そういえば無印良品に用があるのだと、ふと思い出す。
目の前のINDEXを見事に無視し、無印に向かう途中、下着屋さんに出会う。

先日ゆきんとも話したものだが、
そもそも下着を買うことを我慢しなきゃならないって、悲しい悔しい以前に、
情けない、哀れでならない。
いや、だって、ジャケットだのカーディガンだのより、ぱんつの方が大事でしょう。

と、別に足りていないわけでもないのに、
自らに詭弁を立てて、心弾ませながら、物色。
ところどころセールになっており、店員も良心的にセール品を勧めてくれたが、
色に難あり、サイズに難ありで、結局セールの恩恵は受けられない。

女性ならわかってくれる方も多いように思うが、
下着の色に対するこだわりって、頑ななものですよね。
誰も見やしないのに。
同じタイプの色違いは値引き対象と言われても、何か、譲れない、とか。

とにかくそんなで、下着を購入。

あぁもうまずい、これはもう、ジャケットが欲しいとか言っている場合でない。
このままでは目的のものを買わずして、何を衝動買いするかわからない。
帰ろう帰ろう、と思って駅連絡口の方へと足早に歩いていた、ら、
目に入ってしまった、スカートの誘惑。

先月にえっつぁんとお買い物をしたときにも、私は2枚、スカートを買っている。
そしてそのとき、もう当分スカートは買ってはいけないな、と思った。
買うにしても、会社に穿いていけるものにしないとな、と思った。

でも心惹かれてしまったのは、まさか平日穿けやしない、スカート。

平日、それなりに大人しい格好をしているせいか、
休日となると、たとえ出勤であっても、平日にはできないような格好をしたくなる。
一昨日は、赤系のストッキングに赤いぺたんこ、でもないがローヒールの靴、
茶と緑の短めフレアスカートに雪模様のグレーのセーター、
極めつけ、赤い大仰な毛糸のストール、
という出で立ちで会社の人と遊びにいったところ、
馬鹿な子って感じだ、とひとりに言われ、みんなに笑われた。

で、多分、件のスカートも、彼らに言わせれば、馬鹿な子って感じ、だろうと思う。
まぁ、だから何だよ、とも思う。
前々から、すきだな、でもそうそう買えないよな、と思っていたお店でもある。
店員さんがやたらと感じよかったのも、一因。

で、スカート、購入。

美容院から数えると、今日1日で私は一体いくら使ってしまったのか。
怖くて足し算したくない。
うれしいはうれしいが、しかしクレジットの引き落としが今から怖くて怖くて。

お財布からクレジットカードとキャッシュカードを抜いておくことを、
そろそろ本気で考えるべきだろうか。
とりあえずあと2週間、控えるべきはまずお酒代かしら。

明日は雨だから、新しい靴を履いていかれないのが残念でたまらない。

『僕らのミライへ逆回転』 ミシェル・ゴンドリー

verdeさん、ありがとうございました。
mameちゃん、ryoくん、付き合ってくれてありがとう。

久々に映画館に行った。
一応映画サークルによってつながる3人のはずだが、
3人して、映画久々だ、と言いながら観に行った。
映画は、身構えないと観られない3人である。

単純に笑えて、楽しい映画だった。
人と観に行って正解だったな、という。

また映画館行きたくなったし、また映画撮りたいなと思った。
いやぁ、映画っていいものですねぇ。

art schoolとbonobosに泣かされっぱなしの今日この頃。

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2008年10月 5日 (日)

おかしみ

例えば、幹部。

幼い頃、幹部、という言葉には、そこはかとなく危険な、黒い響きがあった。
悪の元締めというか。
ものを知らないこどもだったものである。

高校生になって、部の上層部、これもまたやや不穏な響きではあったが、
とにかく上層部を幹部と呼ぶようになった。

微かな違和感、不釣合いな実体と呼称、そこから生じる可笑しさ。

今となっては何のおかしみも感じず、当たり前のように安心して使えるがしかし、
そういう慣れは、どこかつまらなくもある。

最近の例で言えば、目論見書、とか。

しかしビジネス用語として、もくろみ、なんてやわらかな言葉が出てくると、
明朝体のいかにも厳しい、目論見書、をいざ声に出して読んでみると、
微笑ましいというか爽快というかしてやったりというか。

早く髪のびないかなぁ、寒くなってきたのに。
あぁあぁ、踊り明かしたい。

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2008年10月 4日 (土)

いつものこと

結婚式、に出なければならない。

めでたい話だが、ものすごく面倒だが、まぁめでたいからそれはそれとして、
いや、やっぱり面倒である。

何が面倒って、母のわがままである。
いや、母のわがまままではかわいいものだ。
わがまま、則ち、着物を着ろというはなしだが、まぁそこまではよいのだ。

問題はその先、着付けの話。
式場は丸ノ内、着付けも丸ノ内。
神奈川の片田舎にある実家から、丸ノ内まで着物を届けなければならない。
当然ながら、前日までに。
生憎、当の前日しか動ける日がなく、実家に帰ってとんぼ返りで丸ノ内。
面倒にも程がある。

よほど嫌だったのだろう。

金曜、わかっているのに、飲みに行く、朝まで遊ぶ、
挙句、人の家で日が高くなるまで寝る。
腹減ったシャワー浴びたい歯磨きたいと、人の家でもマイペースな人に連れられ、
そのままお昼ご飯を食べに行く。

実家に帰る件は、例のごとく、しっかり覚えているのに、忘れたふり。
テーブルを囲む残る2名もやっぱり、出社に関して、忘れたふり。

もうお前、実家までバイク便出しちゃえよ、と言われる。
本当に、こんな酒と煙草にまみれた状態で両親にわざわざ会いに行くくらいなら、
いっそそうしてしまいたい、できることなら。
本当に、こんな娘を持って、親が気の毒でならない。

それでも仕方ない、やっとのことで重い腰をあげる。

約1時間、小田急に揺られて実家へ向かう。
人の家でよく寝たおかげで、眠れない、暇すぎる。
とか思っていたら、ガイジンにナンパらしきものをされる。
シャワーも浴びていない、化粧のはげた女に声をかける神経は侮れない。
ものすごく電車を降りたい、が、降りたら次の電車ではもう座れない。
立ったまま1時間は嫌だ。

疲労の末、やっとのことで実家に帰る。
シャワーを浴びて、やっとのことでさっぱりする。
ゆっくりする間も、娘の馬鹿さに両親を悲しませる間もなく、
颯爽と秋らしくなっていた田舎を後にする。

ドライヤーもあてずに洗いざらしの髪の毛、
化粧道具も持たないためにすっぴん、
お酒飲んで煙草すぱすぱ吸ったあとのお洋服及びストール、
なぜ私は美容院などというオサレなところに、こんな格好で行かねばならないのか。
いや、なぜも何もない、全ては私のせいなのだが、
それにしたって恥ずかしい。

丸ビルにはオサレな若者がたくさんいて、美容師さんは非常にかわいらしくて、
もう何だか、いたたまれなくて、前を向いて歩けなかった。

今晩は大人しく早々に寝ようと思う。
何だかんだ、眠いし。

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